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平成30年6月定例会 代表質問

質問内容

  1. 協働によるまちづくりについて
  2. 文化行政について
  3. 中心市街地活性化について

動画はこちらをクリック

[ 平成 30年(2018年) 6月定例会-06月08日-03号 ]

中村圭介 

 グスーヨー チューウガナビラ(こんにちは)。無所属の会、中村圭介でございます。本日は会派を代表して質問いたします。

 まずは、1.協働によるまちづくりについて質問いたします。

 (1)NPO等に対する中間支援の取り組みが、以前に比べると弱くなっているというふうに感じております。団体設立支援や運営支援についての取り組み状況をお伺いします。

 次に、(2)人材データバンク実施に向けて、マッチングの契機となるような市民が集う機会を創出してはどうか、見解をお伺いします。

 この集う機会というのは、市民同士が実際に顔を合わせる場ということです。これまでに当局から聞いている状況としましては、各種団体や学校等に実際に足を運んで、直接要望を聞いて人材データバンクの取り組みとしてどうかということを検討してきたということでありました。

 しかし、今、目の前に見えている困りごと、つまり団体当事者の視点以外の要望というのはなかなか出てこない場合がほとんどなのではないかというふうに思いますので、まだ出会っていない人同士の交流が新たな発想を生むというふうに考えます。

 例えばいろいろなテーマを設定して、市民、各種団体に呼びかけをして、それぞれの視点から足りないもの、課題等が見えてくると思います。困っていること、解決策、それを提供できる人、その3つが見つかれば、あとは協力して解決に向けていただけたらいいと思います。その中で欠けているものがあれば、そこが人材データバンクの出番となります。

 ということで、場所としては協働プラザがやはりいいのではないかなというふうに思います。この協働プラザを知っていただいて、もっと活用していただく機会とするといいというふうに思います。ぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 次に、2.文化行政について質問いたします。

 この2番目の項目に共通するのは、市民の文化芸術に対する興味関心をどう高め、文化芸術が続くまちにしていけるかということであります。

 (1)今後の市の文化情報の提供と発信の仕組みづくりについて、当局の考えをお伺いします。

 これは第5次総合計画に書いてある取り組みですので、その目指すところをまずは確認したいと思います。

 次に、美術の鑑賞教育について質問いたします。

 那覇市立美術館が現在ないことからも、これまで文化芸術というと、歌や踊りといった芸能分野に焦点が当てられることが多かったのではないかと推察いたします。今回はそれ以外の分野の、例えば絵画や彫刻等についてであります。

 美術の授業の内容については先生方が日々工夫されていることと思いますけれども、どうしても描く技術やつくる技術の教育に追われているのではないかと思うわけです。

 作品を見るということにまつわる鑑賞教育のその力こそが、今求められているものだというふうに強く感じております。

 作品を見たときに、大きい、小さい、軽いな、暗いなとか、楽しそう、悲しそうなどの単純な感想を言語化するところから始まり、この作品がどんな場面を描いたものであるのか、作品の主題は何か、そういったことを考えるようになります。

 さらには、制作された社会的な背景、社会における重要性等、作品の周辺にある文脈を読み解き、新たな解釈を紡ぎ出していく。つまり作品と対峙して、作品と対話する力を高める教育であります。

 小中学校ではその導入部分になろうかと思いますけれども、子どもたちだけでなく大人にとってもこれは必要な力であります。

 対話をするということは想像力が求められます。なぜそうなったのか、自分だったらどうするだろうか、自分の考え等の違いを発見して、その作品のメッセージを受けとめて、自分がどう変化をするのか。そういったことを確認をしていくと。

 この作品を人間に置きかえると、自分とは異なる相手とのコミュニケーション能力ということもできると考えております。

 コミュニケーション能力に加えて、冒頭でも触れましたけれども、文化芸術が永続して続いていくまちであるためにも必要な力であります。どんなにすばらしい作品をつくっても、その価値が社会に共有されなければ忘れられてしまいます。すばらしさを言語化するためには、読み解き理解する力が必要であります。

 そうした営みが充実したまちの姿を想像していただきたいのですが、美術の受け手を育てる力が高いまちは、文化芸術を通して対話ができる人が多いまちであり、物質そのものの価値を超えて抽象的な価値の議論ができるまちであると考えます。

 つまり、那覇市は何を大事にするのか、なぜそれが大事なのかについて多くの人が語り合い、より深く、より広く議論ができるようになるのではないかということであります。

 壮大な話になりましたけれども、具体的なことが優先されるあまりに力を割いてこれらなかった分野にこそ可能性が秘められているのではないでしょうか。以下、質問いたします。

 (2)学校における美術の鑑賞教育について、現状と課題をお伺いします。

 先ほど申し上げましたように、この鑑賞教育は学校だけでできるものではなく、広く市民に開かれた生涯学習でなければなりません。

 そこで次の質問につながります。美術館がないのに学芸員が必要なのかと思わるかもしれませんが、だからこそできることもあると私は考えております。

 美術の教育普及、鑑賞教育については、美術館が学校等外部と連携して、その推進を図ることが目指されるようになってきております。

 しかし、美術館の経営と企画展に力を取られ、なかなか学芸員が外に出られない。また、美術館に足を運ぶ人に対しての取り組みにとどまるところが多いようであります。

 本市は、美術館はなくとも多くの美術品を所有しています。保管場所の問題はあるので、それはそれとして適切に管理できるように今後検討を進めていかなければなりませんが、とりあえず作品はあると。また、市内には県立芸術大学があり、県立博物館・美術館があるなど、専門家や関心の高い市民も多く、ギャラリー等の展示会が行われる民間のスペースも数多くあります。

 そのような豊な資源を主体的につなぎ合わせる人材が那覇には必要だというふうに感じております。

 市民に開かれたアート系のワークショップのような創造性の高い事業のほか、市内公共施設に点在する厳しい環境に置かれた美術品の最低限の管理のためにも、学芸員が必要ではないでしょうか。

 (3)美術系の学芸員採用の検討について見解をお伺いします。

 次に、3.中心市街地の活性化についてであります。今回内容は一見すると、代表質問で取り上げるのはなじまないように見えるかもしれないのですけれども、前回の議会で誤解されているままにすると、市民と那覇市の協働にとって悪い影響がありますので、重く受け止めて質問いたします。

 中心市街地活性化に関する基本計画には、市民として附属機関である那覇市中心市街地活性化委員会の委員になっていただいている方もおり、有識者関係団体ほか、多様な考えをもつ委員によって協議がなされたと認識しております。

 基本計画に関連するさまざまな事業についていろんな考えがある中で、中心市街地に関する総合的な計画といった計画の性質をご理解いただき、総合的に議論していただいたそのとりまとめが答申されたものだというふうに理解しております。

 つまりこの基本計画が取りまとめられたことをもって、この計画に書いてあるすべての事業について、すべての委員が賛同しているとするのは、正確ではないと考えております。

 質問です。中心市街地活性化に関する基本計画は、ご参加いただいた委員に、計画に関連する各事業を個別に賛否を取ったものなのかお伺いいたします。

 壇上からは以上で、残りの時間は質問席より行います。よろしくお願いします。

城間幹子 市長 

 中村圭介議員の代表質問1.協働によるまちづくりについてのうち、私のほうからは(2)人材データバンクの取り組みについてお答えいたします。

 議員からはマッチングの契機となるような市民が集う機会を創出してはどうかというふうにご提言をいただきました。

 現在、私ども地域の人材を集約し、地域のニーズとマッチングをさせる人材データバンク事業につきましては、本格的運用に向けて、モデル事業を実施しながら庁内のワーキングチームで議論を重ね、準備を進めております。

 昨年度はこれまでも紹介してまいりましたが、モデル事業として、銘苅小学校区まちづくり協議会に夏休みのラジオ体操の指導者を紹介し、また社会福祉協議会が探しておりましたデイサービスでの折り紙の指導者を市民活動支援センターが間に入って、公民館の折り紙サークルから紹介をいたしました。

 さらには、公園管理課との連携で、公園の愛護会とボランティアを目指す市民とのマッチングも行ってまいりました。

 このようにこれまで地道にマッチングを図りながら、ボランティア人材の登録促進に努めてまいりました。

 今年度は合わせてボランティアを求める声を広く拾い上げることにも力を注いでまいる所存であります。

 具体的には、4月に自治会各支部定例会で、ボランティア人材を求める声がないか。担当者が事業の説明をし、6月には各小中学校のPTAの健全育成部や保健体育部、広報部などへの周知にも努めていく予定でございます。

 さらには、各公民館で活動している約520のサークル団体にボランティア登録の働きかけをすると同時に、700人を超す協働大使の皆様にもボランティアとして、情報を広く関係者へ広げていただくよう、お願いをしていく予定でございます。

 そのほかにも、8月には那覇地区の学校の地域連携担当教諭の研修会において市民活動支援センターから、本市の人材データバンクの取り組みを紹介し、学校現場への周知を図っていくことも予定しております。

 このように、さまざまな角度から取り組みを推進してまいりますが、最も重要なことの1つが情報の伝達であり、そのような意味からしましても、市ホームへージ内の那覇市民活動支援センターの情報発信等の充実は欠かせないものと考えております。

 「多様なつながりで共に助け合い、認め合う安全・安心に暮らせるまち NAHA」を目指す、本市の「ひと つなぐ まち」に込められた思いを具現化するべく、「つなぐ」の部分の肝となる部分でもあると考えております。

 今年度は、このホームページの充実を図り、既存の団体に属さない、市民のボランティアをしたいという声とボランティア人材を求める声とを広く拾い上げる取り組みを進めながら、議員提案の市民が集う機会の創出につきましても、今後検討してまいりたいと思っております。

徳盛仁 市民文化部長 

 中村圭介議員の代表質問1番目、協働によるまちづくりについてのうち、(1)NPO等に対する団体設立支援や運営支援についての取り組みについてお答えいたします。

 一般的に中間支援とは、「人材・資金・情報などの資源提供者とNPOとの仲立ちをしたり、コーディネートをしたりすること」という定義がございます。

 まちづくり協働推進課では、なは市民活動支援センターに専門相談員を1人配置して、市民活動団体の自立支援に関するアドバイスや相談等を行っております。

 また、市民活動支援に関する講座を昨年度は7回開催しました。

 今年度は、NPOの設立講座や運営講座及び資金調達に関する講座や会計処理の講座、プレゼンテーションの講座など、10回程度の講座を開催する予定でおります。

 そのほかに、市民活動団体の活動を資金的に支援することを目的に、平成30年度から新たにスタートする那覇市民活動支援事業助成金事業も行っており、6月1日から募集を開始したところであります。

 内容は、総額で200万円、一般コースは上限が50万円、学生コースは上限10万円の助成金となっております。

 議員ご指摘のように、NPOなどとは連携上の課題もありますので、今後はこれらの事業に加え、市民活動団体との連携をさらに一層深める施策の推進に取り組み、これまで以上の支援につなげていきたいと考えております。

 続きまして、中村圭介議員の代表質問の2番目、文化行政について(1)今後の市の文化情報の提供と発信の仕組みづくりについてお答えします。

 文化振興課では、パレット市民劇場や市民ギャラリーの催しに関しましては、広報なは市民の友に毎月掲載しております。

 また、市外に拠点を置く文化関連団体が実演公演を行う際は、当団体が作成するちらしなどに那覇市の後援と記載し、市が管理する施設等にちらしを設置するなどの支援を積極的に行っております。

 現在は、新文化芸術発信拠点施設の完成に向けて、民間の文化施設や、実演団体と連携し、イベントなどの情報発信の仕組みづくりについて、さまざまな可能性を検討しているところでございます。以上です。

奥間朝順 教育委員会学校教育部長 

 中村圭介議員の代表質問2番目、文化行政についての(2)学校における美術の鑑賞教育の現状についてお答えをいたします。

 学校における美術の鑑賞教育の現状につきましては、学習指導要領の中で、小中学校の全学年で位置づけられており、図学工作と美術の授業の中で、小中学校全学年で鑑賞教育が実施されております。

 続きまして、課題についてお答えいたします。

 学校における美術の鑑賞教育につきましては、校外の美術館などにおける鑑賞教育機会が課題となっております。

 学校から美術館などまでの送迎手段としましては、安全面から考えますと、貸し切りバスが必要となります。

 その送迎にかかる時間及び費用の確保が課題となっております。以上です。

徳盛仁 市民文化部長 

 中村圭介議員の代表質問2番目、文化行政についてのうち(3)美術系の学芸員採用の検討についてお答えいたします。

 本市の美術に関する事業としましては、2つの事業があります。

 1つは、本市が所蔵する絵画などの作品展は、約600人が来場する人気の展示会があります。

 2つ目は、市内在住または在勤・在学者などが応募し、約200点の作品の中から、市長賞を授与する「なは市民芸術展」も大変好評をいただいている事業です。こういった実績から、市民の美術・芸術に対する関心の高さを伺い知ることができます。

 議員、ご指摘の美術系の学芸員などの専門家の活用については、関係者と調整を図りながら、調査研究してまいりたいと思います。

名嘉元裕 経済観光部長 

 中村圭介議員の代表質問の3番目、中心市街地の活性化についてお答えいたします。

 平成27年度に策定した那覇市中心市街地の活性化に関する基本計画につきましては、中心市街地活性化の必要性を確認し、県都にふさわしい活力あるまちという将来像を掲げ、活性化に向けての「だれもが暮らしたくなるまちをつくる」、「だれもが来たくなるまちをつくる」という2つの基本方針、それから「暮らしやすいまち」「にぎわいを楽しむまち」「経済活動が活発なまち」という3つの目標を定めたものでございます。

 策定にあたりましては、内部組織のほかに外部組織である那覇市中心市街地活性化委員会に諮問し、ご審議いただきました。

 審議会では、施策推進に係る具体的事業を個別に賛否を取ったものではございません。那覇市中心市街地の活性化に関する将来像、基本方針、目標、施策展開の考え方、5つの分野の各施策に係る具体的事業及び新たに取り組む内容等について、ご意見、ご提言などをいただきながら審議され答申をいただいたものでございます。

中村圭介 

 市長、各部長ご答弁ありがとうございました。

 人材データバンクの充実、期待しております。今後検討していきたいということでありましたので、あらゆる機会をつくっていただいて市民が気軽に参加できるような人材データバンクになることを期待しております。

 そして、文化情報の発信の仕組みについては、今聞いた感じだとどうしても市内という感じの捉え方になってしまいますので、これは沖縄で何をやっているんだろうかということで、全国も注目されているわけです。

 壺屋の焼物博物館のほうでは、今はやってないのですけども、以前には学芸員さんが、独自にツイッターで発信して、全国の情報を沖縄に届けてくれる役割もしながら、沖縄の情報を全国に届けていくという役割もされておりましたので、自前ですべてネットワークをつくっていくということではなくて、そういったネットワークが既にあるところに飛び込んでいって、情報交換の中に混ぜてもらうという形で、那覇の情報を積極的に発信していただければというふうに思いますので、そこも引き続き、検討をよろしくお願いしたいと思います。

 あと、学芸員さんについては、ぜひ若狭公民館にパーラー公民館というものがありましたので、それについて、あれは公民館はないんだけれども、施設はないけれども機能を移転することはできないだろうかというところで、考え出されたものだというふうに思いますので、ぜひなかなか学校も外に出て行けないのであれば、学芸員さんを中心に作品も一緒に持っていくとか、ワークショップを学校でやってみるとか、そういった形で工夫をしながら、鑑賞教育ができる部分があるのではないかということを検討していただきたいというふうに思います

 最後に、中心市街地活性化について、この基本計画の中身と前回の議会でもあったように、誤解されてしまったところがあったのかなと思いますので、特に議場においては、その趣旨、中身が誤解されることがないように、丁寧な答弁をお願いしたいと思います。

 以上で代表質問を終わります。ありがとうございました。

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