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オンライン勉強会 連続講座「事業がはじまる前と後」第1回

22日は、沖縄セーフティネット協議会のオンラインでの連続講座「事業がはじまる前と後」の第一回でした。 
講義1の横江さんからは、なぜ子どもの権利なのか?などについて
その中で、特に印象的だったのは、子どもと接する大人が意識することとして子どものために権利(自由)を制約しなければならない時には、その目的(理由)を子どもと共有できているかが大事であるということでした。「ダメなものはダメ」で押し切るのではなく、理由をきちんと伝えよう。それが子どもを個人として尊重することにつながる基礎になる。権利を尊重することは、既存の社会の在り方を問い直すことになるので、一朝一夕にはいかないが、意識し続けて、少しずつ切り拓いていかなければならない。

講義2の佐藤さんからは、沖縄ダルクのお話しから、スティグマ(烙印)について説明がありました。依存症者が回復のために社会に復帰しようとした際に、例えば就職先の内定が取り消されたり、家を借りられなかったりといったように社会からの視線が厳しく、復帰が難しいことがあるそうです。そのような非当事者からのスティグマ(公的スティグマ)があることで、本人も自らを肯定できない(自己スティグマ)を抱えてしまう。また、薬物使用の厳罰化が進み、刑務所内では依存症の治療が行われないことにより回復が遅れたり、再犯を繰り返してしまうなど、構造的な問題(構造的スティグマ)も存在するとのことでした。

子どもの権利や子どもの貧困対策を考えるうえで、依存症の問題は重要です。子どもは家庭で育ちますが、子どもに対する支援だけでは、その保護者の依存症支援までは届かない(現在の子どもの貧困対策事業では保護者に対しては就労支援に主眼が置かれているため)

参加者との質疑応答の中でも、依存症からの回復のための社会資源(施設や団体等)がまだ少ない(沖縄県立総合精神保健福祉センターではショートケア(今年度は中止)の支援がある)ことが紹介されていました。アルコール依存の問題を抱える家庭では、虐待やDV、貧困などの課題も同時に抱えていることもあるので、沖縄の子どもの権利を考えるうえでも、大きな課題だと考えます。

この企画は3回シリーズで、明日9月24日と28日にも開催されます。Youtube配信もありますので無料で受講できます。(マスコミや議員向けには有料でZoom参加の形態もあります) 企画チケット販売ページ 

\いまさら聞けない? 今だからこそ?/

あの事業の「前」と「後」を一緒に考える3日間

■プログラム概要 ・全3回・計6人の講師と、ともにこれまでの6年間、NPOが何をしてきたのか社会課題ごとに解説します。 ・各回では、講師の解説のあとに意見交換の時間を設けます。 ・勉強会日程は、LIVE配信しYoutubeで公開します。

■講義テーマと講師の紹介 (1)2021年9月22日(水)18:00-19:30  テーマ:「人権」から考える

 〇講義1「子ども問題に関わる弁護士の視点から」  横江 崇 氏(美ら島法律事務所 弁護士、NPO法人子どもシェルターおきなわ 理事長)

 〇講義2「社会的なスティグマを乗り越える仲間づくりー依存症者が地域社会で生活を獲得すること」  佐藤 和哉 氏(一般社団法人沖縄ダルク 施設長、精神保健福祉士)

(2)2021年9月24日(金)18:00-19:30  テーマ:「子どもの貧困対策」前後の事業展開と拡大

 〇講義3「不登校・ひきこもり、子どもの居場所、若者支援の現在地」  金城 隆一 氏(特定非営利活動法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい 代表理事)

 〇講義4「児童養護施設卒業後の支援の現状と課題」  糸数 未希 氏(NPO法人にじのはしファンド 代表理事)

(3)2021年9月28日(火)15:00-16:30  テーマ:政策/制度の転換期に事業を仕掛けた当時の意図と現在

 〇講義5「2015年 沖縄初の子ども食堂を開所、その後の6年を振り返る」  鈴木 友一郎 氏(ももやま子ども食堂

 〇講義6「2012年 「まちとこども基金」の創設から10年」  小阪 亘 氏(公益財団法人みらいファンド沖縄 代表理事)

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中村圭介対話の時間vol.180 那覇市「子どもの権利条例」制定に向けて 一般社団法人daimonファウンダー糸数温子さんにお話を伺う 後編
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